「7章 Webページのテスト、評価と運用」の演習問題の解答例
演習問題の解答を導くための解説
制作したページをテストするプロセスです。
複数のブラウザ環境で動作確認を行うことは大切です。どの環境でも体裁(見栄え)が同じになることが最終的な目的ではありません。環境が変わっても大きな表示の乱れがなく、伝えたい内容が伝わるかどうかを確認します。
文字だけでのブラウズ
p.145 図7.1(g)のテキストべースのブラウザ(lynx)は、文字情報だけが表示されるブラウザで、音声ブラウザや点字ブラウザを使っている人にとって、ページ内容がどう伝わるかを体験するのに役立ちます。
HTML文法チェッカであるAnother HTML-lint Gateway(http://openlab.ring.gr.jp/k16/htmllint/htmllinte.html)では、テキストベースブラウザでの表示を見ることができます。
自分が作成したページのURLあるいはローカルコンピュータでのファイル名を指定し、「出力について」の項目で「テキストベースブラウザでの見え方の表示」をlynxまたはw3mに指定すると、チェック結果のページからテキストベースブラウザの表示が見られます。w3mはlynx同様のテキストブラウザです。
ネットワークスピードを変えてのテスト
さらに可能であれば、ネットワーク接続に関しても、異なる環境でテストしたいものです。高速ネットワークに接続されている場合と、ダイアルアップ接続のように低速なネットワークの場合との両方で、ロード時間をテストしてみるといいでしょう。Webページのデータ量に関して、再検討が必要と認識されることもあるでしょう。
チェックリストを使っての確認
クラスメイトや友人に、実際の読者になってもらい、制作したページ評価を聞く機会をもってください。インターフェースデザインチェックリストや、Webページ評価チェックリストを使って、他の人チェックしてもらうと、読者が自分のページをどう見るかが具体的にわかるでしょう。きれいなイメージやアニメーション、マウスに反応する機能などをもつWebページは、目を引きやすく、つい「いいページ」だと思いがちです。しかし、それらがWebページの必要条件でも、「いいページ」にする要件でもありません。チェックリストを使わずに評価すると、そのような「目を引く」要素を高く評価する傾向があります。情報提示手段としてのページを包括的に、冷静に判断してもらうためにも、チェックリストを使うことは役に立ちます。