2004年9月号掲載 よしだともこのルート訪問記
第95回 オープンソースで高品質のツールやサービスを提供
〜ペンギンファクトリー〜
折笠 僚洋(おりかさ ともひろ)
有限会社ペンギンファクトリー 代表取締役 社長
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ペンギンファクトリーとは
1993年、個人ソフトハウス「ディアスコーポレーション」として創業し、さまざまなソフトウェア、アプリケーションの開発を行う。1999年12月に「有限会社ディアス」として法人化し、翌年からWebサイト構築に主力を移す。2001年11月より社名は「有限会社ペンギンファクトリー」。主力商品は、ASPグループウェアの「ペンギンオフィス」。本社営業所は、京都リサーチパーク内。
http://www.penguin.co.jp/
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■「ペンギンファクトリー」という社名のとおりLinuxを活用
よしだ(以下、Y):初めまして。京都リサーチパーク注1(以下、KRP)には、いつから入居なさっているのですか?
折笠さん(以下、折笠):2000年4月からです。最初は4号館にいました。そのときは、まだ社名が「有限会社ディアス」でした。
ペンギンファクトリーは、Webを本格的にマーケティングに活用したい企業のためにさまざまなツールを用意し、デザイン・コンテンツ提供・サーバー運用までワンストップでWebソリューションを提供しています。具体的な商品は、グループウェアの「ペンギンオフィス2」注2と、ファイルサーバー管理ソフトの「ペンギンフォルダ」注3などです。「ペンギンオフィス2 for Mac OS X」も、大塚商会から近日中に販売開始される予定です。
また、有名なマンガの携帯電話用公式コンテンツの制作も担当していて、ここで使っている画像を、携帯電話の機種に合わせたサイズで自動的に出力するシステムを構築しました。このほか、時計のiアプリなどを複数サイトで提供しています。
ネット関連でいくと、京都ビジネスポータルサイトの「京(みやこ)バレー注4」や、「京都経済新聞社注5」のサーバーとシステム開発・保守、京都の逸品を販売する「楽市光泉洞」注6のような、一般的なサイトも作っています。大手広告代理店の業務管理ASP注7サービスなども担当していますね。
あとは、まだ公開前なのですが、テキスト整形機能を搭載したblog注8システムWablogを開発中で、7月中にはhttp://wablog.com/で公開予定です。サーバーは、KRPにあるデータセンタールームに置いています。そして、回線はNetIRD注9さんから借りています。4号館に入ったころに「KRP内で、線はどこが一番速いの?」と聞くと「NetIRDさんだ」ということで、ここから借りることにしました。
現在、NetIRDさんからは出資してもらっていますし、社長の白石岳さんからは、アドバイスをもらったり仕事をいただいたりもしています。
Y:ところで、現在ペンギンファクトリーの社員は何人いるのですか?
折笠:アルバイトも含めて5名です。
Y:ペンギンという名前の由来は? 当然、Linuxのペンギンですよね?
折笠:はい、そうです。1998年ごろからレンタルサーバー、サーバーハウジング事業を開始していたのですが、その当時はペンギンインターネットという名前のサービスを行っていました。Linuxのサーバーを構築し、メールサーバーには、当時はまだめずらしかったqmail注10を使っていました。それで「ペンギンさん、ペンギンさん」と呼ばれるようになったので、社名もペンギンがいいと思うようになりました。
前社名のディアスは、DIAS(Designer of Intelligence Application System)と書きました。ちょうどJリーグが立ち上がった時期で、得点王のRamon Diazもディアスと読むので気に入っていました。しかし、その後、女優のキャメロン・ディアスのほうがGoogleで膨大に引っかかって埋もれやすくなってしまったのと、DIASが「ダイヤス」や「ディーアス」とも読めてしまうなどの理由で、ペンギンファクトリーに変えました。Linuxに関係する会社だということもすぐに分かりますしね。
Y:ペンギンという名前は、インパクトがあって素敵だと思いますよ。
折笠:社内には多くのペンギングッズがあります。数年前に、ペンギンの絵をあしらったPCケース注11が売られていて、いまでも見かけることがあるはずですが、ペンギンの蚊取り線香ケース辺りはめずらしいでしょうね。
■PostgreSQLとの出会いからオープンソースの魅力に取りつかれる
Y:会社から独立されたきっかけなどを教えてください。
折笠:独立してから、今年でもう12年目です。もともとモノづくりが好きで、子供のころは工作やプラモデル作りに没頭し、小学生、中学生時代は父が買ったパソコンでプログラムを書いていました。好きなプログラムの勉強ができると期待して進学した高専を辞めた後は、喫茶店の調理、バーテン、木材の運搬、内装工事、大工の手伝いなど、さまざまな仕事をしました。
その後、就職したソフト開発会社では、名簿の管理など業務向けのソフトを作って導入し感謝され、自分の好奇心を満足させることもできたのですが、半年で代表が夜逃げしてしまいました。そのため、受託ソフト開発に入社し、当時全盛期だったオフコン注12を使って業務用のソフトウェアをつくっていましたが、経営陣のごたごたで1年で会社が解散してしまいました。
次に、IBM系の代理店に入社しました。SEとして入社したはずだったのですが、オフコンの営業に回されました。1年後にSEにするという約束だったのですが、2年たってもいっこうにSEにしてもらえる様子がありませんでした。それでも、新規顧客を開拓する担当として営業をし、夜中まで見積書や企画書を作っていました。
しかし、当時LANが出たところで、ネットワーク時代の幕開けの時期。オフコン市場は衰退の一方でほとんど売れません。パソコンを売って、営業成績トップの営業マンになったりもしましたが、10倍以上の価格差があるオフコンで立てられた営業目標では、なかなか達成できません。ちょうどこのころ結婚し、子供もできてという時期でした。
そんな折、数日間徹夜して作成した自信作の企画書を持って、ある化学会社の情報システム構築のコンペに出ました。11社が参加したコンペだったのですが、結果は同じIBM系の別の企画が採用されて、私の企画は不採用でした。
しかも、コンペが実施される前から、水面下で話がまとまっていたことを後で知らされ、私より上の社員はみんなそのことを知っていたというのです。それでフテてしまい、まじめに会社に行かなくなり、会社をクビに近い状態で辞めてしまいました。それが独立したきっかけでしたから、負からの出発だったんですね。
そのとき、現在でも取り引きのある会社から「全社管理のためのシステム」の一括発注を受けました。WindowsとLANを駆使し、売り上げから仕入れ、帳簿から在庫の管理までのすべてを、丸1年がかりで作りました。その後は、賃貸マンションを自宅兼オフィスとして、多くのソフトを作りました。技術的なもの、業務的なもの、デザイン的なものとなんでもこなしました。そして、独立して7年目に有限会社ディアスを設立しました。
また、和装卸小売業向けの販売管理システムなどのシステム開発を手がけるようになりました。このほかにも、建築業界向けに開発した見積もりシステムを「見積王」としてシェアウェアで販売して、ベクターで約600本売ったこともありました。
オープンソースと出会ったのは、そのころです。1997年に、マイクロソフトのACCESSを使って構築した和装卸小売会社のデータベースの件数が6万件に達したため、再構築することになりました。当初、マイクロソフトのSQL Serverの採用を検討していたのですが、費用がかさむため導入を断念し、代わりにキャンペーン期間中のために通常よりも格安で導入できるオラクルのデータベースを使うことにしました。しかし、キャンペーン期間が終了した直後に、通常価格でないと販売できないといわれてしまいました。
価格と納期の板挟みになっていた時期にたまたまWebで見つけたのが、オープンソースのPostgreSQL注13でした。検索の速さなどパフォーマンスの良さは満足できるもので、これをきっかけに、オープンソースの魅力に取りつかれました。それ以来、数々のシステム開発受注のほとんどにオープンソースを使っています。小さな会社でも、大きなことができるところがオープンソースの魅力ですね。
Y:そのとおりですね。
折笠:車輪を2回作る必要はない、いわゆる車輪の再発明を避けるという考え方に、オープンソースはマッチしています。誰が作っても同じようなものになるのに、わざわざ別に開発する必要はなくて、オープンソースにしてみんなで利用すれば良いわけです。その一例が、OSとしてのLinuxだったり、座席予約システムの「GARAGARDOA注14(ガラガラドア)」であったりするわけです。
GARAGARDOAは、ニユートーキヨーの外食産業向けのシステムで、早稲田大学、テンアートニ、オープンソース推進団体のOSCARアライアンス注15が普及に向けて協力し、ソースを公開しています。ちなみにこれは第2弾で、第1弾としては、「Cerveza注16(セルベッサ)」という外食業向け受発注システムのものを公開済みです。同様のシステムを必要とする外食産業内で共通のシステム基盤を提供し共同利用することで、業界内の新規開発とメンテナンスコストを削減でき、ほかの企業さんからも同様の動きが起こることで、産業全体の生産性向上に結び付けられるという考えからです。
Y:そのとおりだと思います。
折笠:ゼンド・オープンソースシステムズ注17の社長の角田好志さんからは、オープンソースとビジネスとの接点を考える際に、アドバイスと指導をいただき、参考にさせてもらっています。角田さんは、「ITマネジメントの常識を疑え!」注18という著書でもオープンソースを活用したビジネスについて詳しく書いていて、「オープンソースで食っていきたい」という人には参考になりますよ。
■オープンソースとビジネスモデルは相反しない
Y:「ペンギンオフィス2」について教えてください。
折笠:「ペンギンオフィス2」は、スケジュール管理、施設予約、伝言メモ、ワークフローなどの業務上必要な機能を網羅したブラウザベースのグループウェアです。スケジュール入力などを行うと、予定の登録者から会議出席者へ自動でメールが配信される仕組みなど、社内業務効率化を考えた仕様となっています。
また、「ペンギンオフィス2」は、Apache、PHP注19、Perl、PostgreSQLなどのオープンソースソフトウェアで開発されています。「ペンギンオフィス2」には、オープンソース版(Web版)、ケータイ版、パッケージ版(ASP版)があります。オープンソース版(Web版)は、ライセンスにGPLを採用しており、ダウンロードバージョンとしてWebから提供しています。オープンソースの推進団体「OSCARアライアンス」のWebサイトからも無償で提供されています。ケータイ版、パッケージ版(ASP版)についてはBSDライセンスに準拠しており、主にOEMでのネットサービス、大規模カスタマイズ使用、自社商品化向けとなっています。
オープンソースとして提供する部分と、商売にする部分を明確にして、ビジネスモデルを確立していきます。ペンギンオフィスでの試みによって、『オープンソースとビジネスモデルは相反しない』ことが証明できるでしょう。
Y:「ペンギンオフィス 2」には、デモサイトがあったので、どんなものか体験できていいですね。私もちょっと使ってみました。実際に体験したうえで、ソースコードを含めてプロダクトを入手して利用できるというのが、理想ですね。動かしているうちに、「カスタム化を推し進めて、さらに使いやすくしたい」と思うことは、誰にでもあるでしょうから。
折笠:「ペンギンオフィス 2」はMac OSの上でも動くようになっていて、すでにお話ししたように、大塚商会から販売の予定です。ヒーヒーいってたマニュアル作りが、ようやく終わったところです。
Y:プログラムを組むのが得意な人とマニュアル書きが好きな人というのは、なぜか相反しますからね。
折笠:はい。また、先日、ぷらっとホームが販売する、OpenBlockS 266で動作させることに成功しました。グループウェアは便利なものなので、小型サーバーにバンドルして売るような形になればいいと思っています。
今後の事業の3本柱は、システムを受注する中で、そこからのプロダクトアウト、アプリケーション開発、ユーザーの視点に立った商品開発です。ユーザーよりの商品開発として、ペンギンオフィス、blogシステムのWablog、Webメールのペンギンメールを置き、全プロダクトとも、部分的にオープンソース化するつもりです。
ホスティング関連事業には、OpenBlockSなどの小型サーバーを使い、ホスティングサーバーにはFedora Core 2、DAV注20+Samba+netatalk注21+Webインターフェイスを使っていきます。
今後の事業計画については、7月3日に、京都ベンチャーネット合資会社が主催する「京都異業種交流会 京バレー7月度ビジネス・コラボレーション・サロン」で、「3ヶ年計画:今後の戦略と目標 〜コミュニティサイトを開発する訳〜」というタイトルで話しました。
最近、経営に力を入れ始めて、やや開発やサポートから離れつつありますが、RBL.JPプロジェクト注22などの登録ボランティアもやったりして、基本は忘れないようにしたいと思っています。
■『できる』と『できた』は違う
Y:折笠さんが執筆に参加した「かなり不揃いの起業家たち」注23の中に、「『できる』と『できた』は違うんだよ」ちょっと偉そうなこの言葉。実績やツールを自慢しているわけではなく、努力して積み重ねて行くことが大切だと思う、今の素直な気持ちそのままです。」という文章があり、感動させられました。
折笠:あの本には、「コンピュータソフトはプログラムと経験の積み重ね。プレハブ住宅のような簡単なものは誰でも作れても、五重塔のような大がかりで腕が必要なものは、一朝一夕にはできない。大事なのはやはり「やり続ける」こと。」と書きましたが、最近は「五重塔というより、ビルの建築かな」と思っています。ビルは建てる人のポリシーが必要になるでしょう。「見かけは華やかだとしても、子供には危険な回転ドアはいらないな」といったポリシーを持って建築することが重要だと思うのです。
うちは、さまざまなWebサイト構築の仕事をしていますが、「出会い系サイトは作らない」ことをポリシーにしています。たった1度だけ、ポリシーをものすごくしっかり考えた「出会い系サイト」を作ったのですが、ポリシーが厳しすぎて人気がなくなり、つぶれました。でも、それで良かったと思っています。それ以降、「出会い系サイト」はやっていませんし、どんなにお金になってもやるつもりはありませんね。
実は、子供のころからずっと母親とカトリックの教会に通っていて、洗礼名も持っています。そういう背景も、ポリシー作りには影響するようですよ。
Y:そうだったんですか。私の職場(大学)もカトリックの学校なんですよ。私は信者ではありませんが。ぜひいつか神父様になってくださいよ。IT業界のことが分かる「IT神父」なんて希少価値があって素敵ですよ。
折笠:そうそう。この本の続編「続・ふぞろいの起業家たち 〜起業家異種格闘技『ふぞろいバトルロワイヤル』勃発!?〜」にも、原稿を書きましたよ。近日中に発行されますので、そちらも楽しみにしていてください。
Y:はい。本日はお忙しい中、ありがとうございました。
注1 京都リサーチパーク(KRP)
京都府、京都市、地元産業界との協力・連携のもと、全国初の民間運営によるリサーチパークとして1989年にオープン。創造的な研究開発環境、各種サービスの提供を通じて、新たな分野を切り開く企業を支援しており、現在では200社を超える企業の集積を実現。
http://www.krp.co.jp/
注2 「ペンギンオフィス2」の動作環境
動作OS:Linux、FreeBSD
データベース:PostgreSQL 7.x以降
必要メモリ:256MB以上(推奨1GB以上)
ハードディスク:ソフトウェア領域として約6MB、データ領域として1GB以上(推奨RAID構成2GB以上)
注3 「ペンギンフォルダ」
WebDAVアクセス、文書検索、画像サムネイル生成、音声・画像のフォーマット変換、ファイルの暗号化など、さまざまな機能を備えるファイルサーバー管理ソフトウェア。
注4 京都ビジネスポータルサイトの「京(みやこ)バレー」
京都の経済活性化事業として、「新しい時代の、新しい京都ビジネスの創造」をテ−マに活動している、異業種交流会。
http://www.kyoto-venture.net/
注5 京都経済新聞社
http://www.kyoto-keizai.co.jp/
注6 楽市光泉洞
http://wachagashi.jp/
注7 ASP
Application Service Provider(Application Service Provider)の略称。インターネットを介して、顧客が業務用アプリケーションを利用できるようにした事業者を指す。顧客側は、Webブラウザーを使って、ASP事業者のサーバーにインストールされているアプリケーションにアクセスする。
注8 blog
語源はWeblog。静的なWebサイトではなしえなかった緊密で柔軟なコミュニケーションやコラボレーションで、サイトどうしの接続が可能となる。詳しくは、UNIX USER 2004年1月号の第1特集「Wikiとblogを乗りこなせ」参照。
注9 NetIRD(株式会社ネットアイアールディー)
企業向け専用線プロバイダ、ネットワーク設計・構築・運用・監視、これらのコンサルティング、ネットワーク関連ソフトウェア開発を業務としている。1997年8月に、NetIRDの西村昌明さんをルート訪問している。本社は京都リサーチパーク4号館3F。
http://www.netird.ad.jp/
注10 qmail
メール配送システム(MTA、Mail Transfer Agent)の標準的存在であるsendmailの問題点を解決するものとして登場したMTA。sendmailとの互換性にこだわらず、信頼性と性能を追求すべく、D.J.Bernstein氏によって開発されている。複数の小さなプログラムを組み合わせ用途別に処理するなどの特徴を持つ。
http://cr.yp.to/qmail.html
注11 ペンギンの絵をあしらったPCケース
1999年に、韓国のHansan Systemから「HS-Penguin」という型番のPCケースがリリースされていた。
http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/990724/etc_penguin.html
注12 オフコン
オフィスコンピュータの略称。事務処理に特化し、伝票発行や販売・財務管理などの目的で利用されている。業者側は、ユーザーの要望に沿って専用アプリケーションを開発し、ハードウェアと一緒に納品する。
注13 PostgreSQL
PostgreSQLは本格的なRDBMSで、問い合わせ言語としてSQLが使えるのはもちろんのこと、トランザクション、行レベルロック、副問い合わせなどの重要な機能もサポートしている。また、数千万件規模のデータも扱え、大量のデータ処理が必要な業務にも応用できる。
http://www.postgresql.jp/
注14 GARAGARDOA(ガラガラドア)
外食産業向け座席予約管理システム。外食産業向け受発注システム「Cerveza(セルベッサ)」に引き続き、株式会社ニユートーキヨーによるオープンソース第2弾として公開された。GARAGARDOAは、スペインのバスク地方語でビールの意で、お店の扉を開けるときの音をかけているそうだ。
http://www.newtokyo.co.jp/garagardoa/
注15 OSCARアライアンス
企業におけるオープンソースの活用を推進する非営利の任意団体。オープンソース活用ユーザー企業団体によるアドバイス活動、セミナーなど、オープンソースの普及啓蒙活動を推進している。ゼンド・オープンソースシステムズ株式会社内に事務局を置く。
http://www.oscar.gr.jp/
注16 Cerveza(セルベッサ)
Cercezaは、外食チェーン向けに開発された、店舗と本社、また仕入先との受発注業務を合理化するためのシステムである。1999年7月から株式会社ニユートーキヨーで稼動をしており、2000年9月から株式会社ダブリュ・ディー・アイ、同年10月から株式会社大戸屋で稼動している。
http://www.newtokyo.co.jp/cerveza/
注17 ゼンド・オープンソースシステムズ
Zend Technologies社(イスラエル)と提携し、日本国内におけるZendプロダクトおよびサポートを展開している。
http://www.zend.co.jp/
注18 「ITマネジメントの常識を疑え!」
角田好志著/定価1,680円(税込み)/日経BP/ISBN 4-8222-2060-5。日経BP社のWebサイト「BizTechイノベーター」(現nikkeibp.jp/ビジネス・イノベーター)に連載した「検証:ITキーワード」に加筆・修正したもの。
注19 PHP
サーバー側で動作する、HTMLファイル内に記述するタイプのスクリプト言語。Apacheサーバーにモジュールとして組み込むことで、CGIとして使用できる。PostgerSQL、MySQL、Oracleなどといったデータベースとの連携に優れており、IMAP、POP3、HTTPなどのプロトコルを用い、ほかのサービスを利用する機能もサポートしている。
http://www.php.net/
注20 DAV(Distributed Authoring and Versioning)
HTTPのプロトコルの拡張仕様。拡張された要素としては、共有ロックと排他的ロック、またそれらの解除による上書き保護、ファイルの複製や削除などに関する名前空間の管理、アクセス制御などがある。
注21 netatalk
UNIX上でAppleTalkの機能やサービスを実現するソフトウェア。UNIXマシンを、AppleShare互換のファイルサーバーやプリンタサーバーとして使えるようになる。
http://netatalk.sourceforge.net/
注22 RBL.JPプロジェクト
RBL.JP(アールビーエルジェイピー、Realtime Blackhole List Japan)は、日本独自のブラックリストデータベースシステムを立ち上げるプロジェクト。ハートコンピュータ株式会社を幹事とするボランティアグループによるプロジェクトで、日本の技術者が構築。
http://www.rbl.jp/
注23 かなり不揃いの起業家たち
中尾吉宏 編著/定価1,601円(税込み)/アリーフ一葉舎/ISBN 4-8999-2004-0。同書籍の25〜30ページに、折笠さんが執筆した「気がつけばベンチャー」と題した文章が掲載されている。
●OS環境:Red Hat Linux 7.2〜9、Fedora Core 2、Mac OS X
UNIXの世界と出会ったのは比較的遅く、1998年に医薬品メーカー向けの図書管理システムを開発した際に知りました。当時Windows上でDelphiをよく使っていて、ODBC経由でのローカルDBが安定しなかったため、試しにPostgreSQL 6.5とLibPQを使ってみて、速さと堅牢さに驚きました。その後は、ずるずるとLinuxにのめり込んで、最初はサーバーを借りて、その後すぐにレンタルサーバーを始めたりしました。
個人事業者から法人にしたのもこのころで、1年ほどかけて、PHP、PostgreSQL/MySQLを使ったサイト開発にシフトして、何とか一通りのことができるようになりました。それまでにも、NATボックスとして雑誌付録のSlackwareをインストールして使っていたりしましたが、いま考えるとゾッとする使い方をしていたと思います。
いろんなディストリビューションを使ってきていますが、レンタルサーバーの最初がRed Hat Linux 6.2だったことから、だいたいRed Hat系を使っています。最近は、Fedora Core 2を自社サービス用サーバーに試していますが、不具合も出ずなかなかいい働きをしてくれています。また、個人用にはPowerBook G4でMac OS Xを使ってます。OSも強固ですし、Linuxとも親和性が高く重宝しています。
●シェル:Bash
とくにこだわりはなくBashをよく使います。20台ほどあるサーバーにはSSH経由で入ることがほとんどで、メンテナンス用のアカウントで入ってすぐに、
でrootになります。そのため、/sbin、/usr/sbin辺りのパスを追加してありますが、後はだいたい標準のままです。
●エディタ:vi
開発そのものは、EmEditorというテキストエディタを使ってWindows上で行っていますが、サーバー上で設定を変更するときなどにはviを重宝しています。検索で正規表現がササッと使えるのがうれしいですね。
●そのほか
メール環境は、仕事がら秘匿性を要求される内容が多く、自宅のWindowsや外出用のMac OS X、あと何台かのLinuxサーバーにZebedeeを入れてセキュアトンネル経由でメールを送受信できるようにしています。自分宛てのメールをfetchmailで取ってきて自社用のグループウェアの中に入れるようにしているのですが、この辺りを組み合わせてオープンソースでセキュアなメール環境を実現するためのツールを開発できないかなと思っています。
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