2000年5月号掲載 よしだともこのルート訪問記
第62回 図書館でありPC室でありシアターでもある空間の実現
〜同志社国際中学・高等学校〜
今回は、京都府京田辺市にある、「同志社国際中学・高等学校」注1のコミュニケーションセンター注2(以下、センター)を訪ね、コミュニケーション部主任のヒレル・ワイントラウブ(Hillel Weintraub)先生、司書の河西 由美子(かさい ゆみこ)さん、ネットワーク・スペシャリストの中植 正剛(なかうえ まさたか)さんから、センターの概要、ここで実施している授業、そして、ネットワークの構築などについてお聞きしました。
訪れたセンターは、すべての面が窓に囲まれているために非常に明るく、生徒たちは自由に図書館の本を読んだり、ノートPCをテーブルの電源につないで使ったりしていました。センターの中には、授業をしたり映画を見たりできる場所も複数あり(最大5クラスまで同時利用可)、人形劇の台の周りには人形が展示されていたり、天気のよい日には本を持って外に出られるテラスも用意されていたりと、とにかく、不思議な空間なのです。
よしだ(以下Y):ここは明るくて、従来の図書館とか、コンピュータ・センターとは思えない雰囲気がありますね。まず、このセンターができたのはいつですか。
ワイントラウブ先生(以下W):1997年9月にオープンしました。
Y:この学校には、創立時から教育用のコンピュータ環境があったのですか。
W:いいえ。学校ができた1980年には、何もありませんでした。その後、1981年から私が小さな部屋にMacintoshを5台置くところから始まって、1991年までは、Learning Centerという部屋にソニーや日立などのPCを置いて、LOGOという言語注4を教えていました。
Y:ワイントラウブ先生は英語の先生なんですよね。英会話を教えておられるのですか。
W:帰国生の英語のクラスを担当していますが、直接会話や文法を教えるというよりも英語やコンピュータの技術を通じて、生徒たちに幅広い学びの経験をしてもらいたいのです。
河西さん(以下K):この学校では、海外で英語を使っていた年数や能力によって英語のクラスは3段階に分けられています。
わが校の場合、各国で多様な学習経験をした生徒がおりますので、日本で通常行われているような、一方的に先生が生徒に講義をする授業だけでは、生徒の方がついてこない場合があります。それで、開校後の比較的早い時期から問題解決型の授業を取り入れ始めたようです。
W:Learning Centerには、300bpsのモデムを入れて、1987年には、ケンタッキー州の学校と、電話を使って通信するプロジェクトを実施しました。同時にカナダやロシアとのEメールによる文化交流プロジェクトを開始しました。
1981年から私たちは、日本全国の教員や社会人の方々と、SMILE(Society for Microcomputing In Life and Education)を始めており、定期的にミーティングを開いていました。ここには、京都ノートルダム女子大学注5のGregory Peterson先生も参加されていました。
当時、われわれのアイデアはよかったのですが、通信速度やマシンの性能がまだ貧弱で、非常に遅い通信しか使えませんでした。当時のメンバーたちは現在、「インターネットと教育」の第一人者になっていますよ。
その後、1994年3月からは、100校プロジェクトに参加注6し、校内にサーバーを置き、64Kbpsの専用線でインターネット接続できる環境を得ました。このときから、よい環境で使えるようになり、1997年秋のこのセンターのオープンにつながっていきます。
■テクノロジー中心ではなく人間が中心の空間
Y:この個性的なセンターの設計の様子について教えてください。
W:まず1993年ごろから「図書委員会」のメンバーが、カナダ、アメリカ、日本の学校の図書館とメディア・センターを見学して回りました。そして、1995年には「建設委員会」が結成され、約200時間、デザイン、カラー、什器、雰囲気、センターの設計方針注7などを含めて「どんな空間が必要か」をとことん話し合い、「テクノロジー中心ではなく人間が中心の空間を作ろう」という結論を出しました。
生徒が使いたいときだけ、棚から出して机の上に置くノートPCには、耐衝撃・防塵・防滴性能に優れた、PRONOTE CF-25注8を導入しています。台数はノートPCがLet's Note AL-N2も含め合計140台、デスクトップPCが41台です。
W:センターをオープンする5か月前(1997年4月)に、常勤の先生全員にノートPCを配り、講習会を始めました。まずは先生方に慣れてもらうことが、重要だと考えたからです。
K:常勤の先生は約50名いますが、全員に貸与という形でお渡ししました。
いまも、先生方にはPCの技術や、教育とコンピュータについての講習会を定期的に続けています。講習会は、PCを貸与している先生の義務と位置付け、中間テストと期末テスト期間中の教職員会議の前後に実施しています。
■必須科目の新設でセンターの活用を教育
W:センターは、生徒に有効に活用してもらうことが大切です。そこで、1998年度から高校1年生の必須科目の授業に「Communication & Media」注9を新設しました。
K:おおまかな流れとしては、1学期に情報収集(書籍、インターネットなど)のオリエンテーション、2学期にグループ・リサーチを行い、3学期に発表準備をして最後に発表します。
W:この授業で強調しているのは、情報を入手するメディアの種類は、書籍からの場合もあるし、インターネットの場合もあるし、それ以外の場合もあることです。つまり、メディアには、
- 書籍(事典を含む)
- 雑誌、新聞
- ネット上のWebページ
- ネット上のオンライン・データベース
- AV関連(ビデオ、CD-ROM、DVD)
- 個人的に集めた情報(インタビュー、メール、TV)
などがありますが、それらのどれをもバランスよく使うことが大切だという概念を教育したいのです。それから、入手した情報を基にして、効果的な発表を考えて実行することも、非常に大切です。
Y:中学生にはこの内容の必須科目はないんですね。
K:義務教育なので、科目を入れること自体が難しく、必須科目はありませんが、新学期にはオリエンテーションを実施していますから、中学生もセンターを利用しています。
センターがオープンしたころは、簡単なテストをして、それに合格した生徒の利用者カードにシールを貼り、その生徒がPCを使えるような運用をしていました。現在はオープンから2年もたち、ここの運用が生徒に浸透してきたため、そのような制限はもう行っていません。
Y:テストはどんな内容だったのですか。
K:簡単なものですよ。「ここのPCを使う決まりが分かっているかどうか」や、一般的なネチケットの問題です。すべて記述式でした。
図1 同志社国際中学・高等学校ネットワーク物理構成図(2000年当時)
図2 同志社国際中学・高等学校ネットワーク論理構成図(2000年当時)
■新しいサーバーをFreeBSDで準備中……
Y:中植さんの名刺の肩書は、ネットワーク・スペシャリストとなっていますが、仕事の概要を教えていただけますか。
中植さん(以下N):仕事としては、クライアント、つまり、ノートPCとデスクトップPCの管理、生徒や先生のサポート、UNIXサーバーの管理、Windows NTサーバーの管理、トラブル・シューティングですね。それから、授業でどのようなソフトウェアが使えるかを提案したり、要求があったときに、どのように実現させるかをサポートしています。
Y:中植さんは、センターができた1997年9月からおられるのですか。
N:いいえ。私は1999年4月からです。前任者が辞めたため、私がくることになりました。
DEC Prioris XL6200にOSとしてBSD/OS注104.0.1を載せた内部サーバーと外部サーバーがあり、それに加えて、新しい内部サーバーを、FreeBSD 3.2-RELEASEで作っています(図1、2)。こちらは自作機で、SCSIカードやネットワーク・カードを購入して作ったものです。これらのサーバーについては、コラム1をご覧ください。
そして、図書館データベース・システムは、Windows NTのサーバー機が2台あり、1台は館内検索用、もう1台はインターネット検索用に使われています。
Y:生徒へのサポートと、システム管理業務の両方が、中植さんの肩にかかってくると思いますが、どちらの割合が高いですか。
N:最初は私が対処しなければいけない生徒へのサポートが多かったのですが、トラブル・シューティングのパターンが決まってくると、センターのほかのスタッフが対処できるようになり、現在はネットワークの管理に比重を置いています。
管理といっても、バックアップのようなことはすべて自動化しているため、日常業務には、それほど時間を必要としません。
生徒のレベルが上がってきていますので、動的なホームページやマルチメディアを使ったページ作りなど、次の段階に備えることに時間を割いています。
ただ、ノートPCは故障しやすいので、その修復に時間がとられますね。
Y:バックアップを自動化しているとのことですが、どのように実現されているのですか?
N:tarコマンドでアーカイブを作っておき、PD注11に保存する部分を、cronで自動的に実行させています。それですと、コンピュータのことを知らなくても、カートリッジを入れ替えるだけでバックアップが取れます。
バックアップに関連して、容量管理が大変ですね。オープンした当初は、生徒がこれほどマルチメディア環境を使うとは予想していませんでした。1週間に一度、容量をチェックして、ある程度、容量を超えた生徒に対しては、自動的に警告メールが届くようにPerlでスクリプトを作りました。
容量不足に対応するため、いま新しい内部サーバーをFreeBSDで作っています。容量を増やさないとしんどいと痛感していますので。
K:現在は、生徒1人の使える容量が8Mバイトまでなんです。これだと、どんどん使っている生徒には、ちょっと少ないんですよね。
N:それから、メディアグラフィ・カード注12をデータベースとして構築し、Webをインタフェースとして運営を始めようとしています。データベースにはPostgreSQL注13を、開発にはPHP3注14を使用します。PHPを選択した理由は、Perlに比べてスクリプトの作成をすみやかに行える点、処理が速い点、そしてデータベースにアクセスできる環境が簡単に整うという点です。もちろんフリーであることも大きな要素です。これらを組み合わせて、先生も生徒もマニュアルを読まずにデータベースが利用できる環境を提供したいと考えています。
Y:「メディアグラフィ・カード」の「メディア」というのが、ワイントラウブ先生が紹介された、メディアに対応するのですか。
N:そうです。生徒が資料を集めますが、それぞれが調べた内容を電子化してお互いに利用できるようにしたいと考えています。
Y:生徒が図書の貸し出しカウンタ内に座っていましたが、中学生・高校生の場合はアルバイトではないですよね。
K:「図書委員」ですよ。当番制になっていて、センターになってからは、「コミュニケーションセンター委員」と名前を変えました。図書カウンタ係とコンピュータ・サポート係を分けて、コンピュータをサポートできるチームを作りたかったのですが、これは成功していませんね。残念ながら、サポートできるまでに生徒を指導する時間が、私たちにないんですよ。
中植さんがネットワーク・スペシャリストとしてサーバーを構築していることを知って、面白いことを教えてもらえるのではないかと、目をキラキラさせて、この部屋をのぞきにくる生徒はいるんですよ。具体的に「これを教えてほしい」という生徒には、時間の許す範囲で教えているようですが、中植さんも、生徒の面倒を見る時間の余裕があまりないですからね。
Y:このセンターのスタッフは、何人ぐらいおられるのですか。
K:教員は、主任、副主任の2名で、専任の司書は、私ともう1人の2名です。それ以外に、本校では嘱託要員と呼んでいますが、契約社員のような形できていただいているのが、ネットワーク・スペシャリストの中植さんを含めて4名です。さらに、視聴覚のサポート要員としてアルバイトの方が1名注15。それ以外に、ホームページ作成のサポートの人や図書のアルバイトの方が、不定期で数人います。
この人数では、スタッフは常に仕事に追われる状態になります。
Y:センター発行の「コミュニケーションセンターのユーザーズガイド」(A4、160ページ)は、とても親切に書かれていますね。英語と日本語が対訳になっていて便利そうですね。
K:これは毎年、年度始めに改訂したものを発行して、生徒に配布しています。
■取材後の会話より……
取材当日、内田洋行注16の教育システム事業部CAIサポート課から、野村裕之さんと島田誠さんがこられていました。河西さんと野村さん注17がお知り合いだったので、きてくださったそうです。
野村さん:今回、初めて見学させていただきましたが、センターがとても明るいのに、一番驚きました。PCは100台以上あるはずなのに、そんなにあるようにはどうしても見えない空間作りがされていましたね。
Y:明るいのには私も驚きました。机などの雰囲気も、洗練されていましたし……。
K:家具はデンマーク製のものが使われています。ちょっと日本にはないデザインでしょう。使ってみて気が付いた点もあります。ネットワークのコネクタが上を向いていたでしょう。あそこにゴミがつまってしまって、使えなくなったところもあるんですよ。
一同:納得……。
Y:ところで、河西さんと野村さんは講習会でごいっしょされたといわれていましたが、どんな講習会ですか。
K:日本教育工学振興会(JAPET)注18の実施した情報化推進コーディネータ養成研修で同じグループになりました。これは、1999年8月から11月まで延べ9日間、3回に分けて実施されたもので、毎回、グループ課題や個人課題が与えられるハードなものでした。
Y:どのような課題が出るのですか。
K:この研修の目的が、学校の情報化において急務と思われることがらに対応できる専門家の養成でしたので、「2,000万円で、ある小学校にシステムを導入するためのプランを作りなさい。来年度には、インターネットにつながることを想定したシステムにすること」といった具体的な課題が出ました。
Y:興味深い内容ですね。今日はどうもありがとうございました。
コラム
同志社国際中学・高等学校の外部サーバー、内部サーバー、新内部サーバーの構成を紹介します。(2000年当時)
(1)外部サーバー(DEC Prioris XL6200:BSD/OS 4.0.1)
<記憶装置の構成>
物理装置 |
|
論理装置 |
|
内容 |
ハードウェア |
接続インタフェース |
論理ドライブ名 |
容量 |
|
内蔵FD
|
FD
|
/dev/fd0a
|
1.4Mバイト
|
フロッピーディスク・ドライブ
|
内蔵HDD
4GB
|
Wide SCSI3
|
/dev/sd0a
|
64Mバイト
|
/システム領域
|
/dev/sd0b
|
192Mバイト
|
swapシステム領域
|
/dev/sd0g
|
500Mバイト
|
/usrシステム領域
|
/dev/sd0h
|
256Mバイト
|
/var
|
/dev/sd0i
|
3Gバイト
|
/homeシステム管理用領域
|
内蔵HDD
4GB
|
Wide SCSI3
|
/dev/sd1a
|
2Gバイト
|
/cache プロキシ・データ領域
|
/dev/sd1g
|
2Gバイト
|
/www 公開www領域
|
内蔵HDD
4GB
|
Wide SCSI3
|
/dev/sd2a
|
4Gバイト
|
/mail メール・スプール領域
|
内蔵CD-ROM
|
SCSI2
|
/dev/sr2c
|
640Mバイト
|
CD-ROMドライブ
|
外付PD
|
SCSI2
|
/dev/sr0c
|
640Mバイト
|
PDドライブ
|
/dev/sr1c
|
640Mバイト
|
PDドライブに挿入したCD-ROM
|
<インストールしている主なサーバー>
Webサーバー
|
Apache 1.3.9
|
Proxyサーバー
|
squid 1.1.18
|
DNSサーバー
|
bind 4.9.7
|
メール・サーバー
|
sendmail
|
DHCPサーバー
|
ISC Dhcpd 1.0p12
|
(2)内部サーバー(DEC Prioris XL6200:BSD/OS 4.0.1)
<記憶装置の構成>
物理装置 |
|
論理装置 |
|
内容 |
ハードウェア |
接続インタフェース |
論理ドライブ名 |
容量 |
|
内蔵FD
|
FD
|
/dev/fd0a
|
1.4Mバイト
|
フロッピーディスク・ドライブ
|
内蔵HDD
4GB
|
Wide SCSI3
|
/dev/sd0a
|
64Mバイト
|
/システム領域
|
/dev/sd0b
|
192Mバイト
|
swapシステム領域
|
/dev/sd0g
|
500Mバイト
|
/usrシステム領域
|
/dev/sd0h
|
256Mバイト
|
/var
|
/dev/sd0i
|
3Gバイト
|
/home0ユーザー領域(先生用)
|
内蔵HDD
4GB
|
Wide SCSI3
|
/dev/sd1a
|
4Gバイト
|
/home1ユーザー領域(生徒用)
|
内蔵HDD
4GB
|
Wide SCSI3
|
/dev/sd2a
|
4Gバイト
|
/home1ユーザー領域(生徒用)
|
内蔵CD-ROM
|
SCSI2
|
/dev/sr2c
|
640Mバイト
|
CD-ROMドライブ
|
外付PD
|
SCSI2
|
/dev/sr0c
|
640Mバイト
|
PDドライブ
|
/dev/sr1c
|
640Mバイト
|
PDドライブに挿入したCD-ROM
|
<インストールしている主なサーバー>
ファイル・サーバー
|
Samba 2.0.2
|
プリンタ・サーバー
|
DHCPサーバー
|
ISC Dhcpd 1.0p12
|
(3)新内部サーバー(自作機:FreeBSD 3.2-RELEASE)
<記憶装置の構成>
物理装置 |
|
論理装置 |
|
内容 |
ハードウェア |
接続インタフェース |
論理ドライブ名 |
容量 |
|
内蔵FD
|
FD
|
/dev/fd0
|
1.4Mバイト
|
フロッピーディスク・ドライブ
|
内蔵HDD
9GB
|
SCSI2
|
/dev/da0s1a
|
100Mバイト
|
/システム領域
|
/dev/da0s1b
|
640Mバイト
|
swapシステム領域
|
/dev/da0s1e
|
600Mバイト
|
/usrシステム領域
|
/dev/da0s1f
|
1200Mバイト
|
/var
|
/dev/da0s1g
|
6.1Gバイト
|
/home0ユーザー領域(先生用)
|
内蔵HDD
9GB
|
SCSI2
|
/dev/da1s1e
|
9Gバイト
|
/home1ユーザー領域(生徒用)
|
内蔵CD-ROM
|
ATAPI
|
/dev/wed0a
|
640Mバイト
|
CD-ROMドライブ
|
<SCSI機器の構成>
SCSIカード |
SCSI ID |
接続機器 |
Adaptec
AIIA-2940AU/JA
|
0
|
|
1
|
内蔵HDD IBM DDRS-39130U 9.1G ULTRA-SCSI
|
2
|
内蔵HDD IBM DDRS-39130U 9.1G ULTRA-SCSI
|
3
|
|
4
|
|
5
|
|
6
|
|
7
|
SCSIカード本体
|
<ネットワーク・カードの構成>
ネットワーク・カード |
ドライバ名称 |
Planex FNW-9700-T
|
vr0
|
<ディレクトリ構成とクライアントからのファイル共有状態>
項目 |
値 |
設定ファイル |
IPアドレス
|
−
|
/etc/hosts
/etc/rc
|
ルーティング
|
RIP
|
|
デフォルト・ルーター
|
−
|
|
ファイル共有方式
|
Samba機能による
|
/usr/local/sambaディレクトリ以下
|
ファイル共有設定(先生に対して)
|
自分のホーム・ディレクトリと先生領域全体・生徒領域全体を共有させる
|
/usr/local/samba/lib/smb.conf
|
ファイル共有設定(生徒に対して)
|
自分のホーム・ディレクトリのみ共有させる
|
|
<ネットワーク設定>
ディレクトリ名
|
内容
|
Windows95からのファイル共有*1
|
Macからのファイル共有
|
/
|
システム領域
|
共有できない*3
|
共有できない*2
|
/bin
|
システム・プログラム領域
|
共有できない*3
|
/tmp
|
システム一時領域
|
共有できない*3
|
/lib
|
システム・ライブラリ領域
|
共有できない*3
|
/var
|
システム・ログ情報・スプール領域
|
共有できない*3
|
/etc
|
システム設定情報領域
|
共有できない*3
|
/usr
|
システム・プログラム領域
|
共有できない*3
|
/usr/local/pgsql
|
DB基本ディレクトリ
|
共有できない*3
|
/usr/local/www
|
Web基本ディレクトリ
|
共有できない*3
|
/usr/local/samba
|
Samba基本ディレクトリ
|
共有できない*3
|
/home0/www/htdocs
|
Webドキュメント・ルート
|
\\newserver\www
|
/home0/卒業年度/アカウント名
|
ユーザー領域(先生用)
|
\\newserver\homes
|
/home0
|
|
\\newserver\teacher
|
/home1/卒業年度/アカウント名
|
ユーザー領域(先生用)
|
\\newserver\homes
|
/home1
|
|
\\newserver\student1
|
/home2/卒業年度/アカウント名
|
ユーザー領域(先生用)
|
\\newserver\homes
|
/home2
|
|
\\newserver\student2
|
*1Windows 95クライアントから、サーバー上のファイルを共有する場合、Samba 2.0.6を使用
*2Macintoshとのファイル共有を持ちません
*3システム領域なので共有させていません
<インストールしている主なサーバー>
Webサーバー
|
Apache 1.3.9
|
FTPサーバー
|
Wu-ftpd 2.4.2-VR17
|
DNSサーバー
|
ISC BIND 8.2.2-P5
|
DBサーバー
|
PostgreSQL-6.5.3
|
開発言語
|
PHP 3.0.12jp-Beta4、Perl
|
ファイル・サーバー
|
Samba 2.0.6
|
時刻合わせ
|
xntpdを使用
|
DHCPサーバー
|
ISC DHCP 2.0(現行内部サーバーのバックアップ用)
|
注1 同志社国際中学・高等学校
1875年にキリスト教主義学校として設立された、同志社の精神・伝統を受け継ぎつつ、国際化社会の要求に応えて、関西初の帰国子女受け入れ校として、1980年に高等学校、1988年に中学校が開校した。生徒の3分の2が海外で生活し、異文化体験を深めた帰国子女注3。京都府京田辺市にあり、同志社大学 田辺キャンパスに隣接している。
詳しくは、http://www.intnl.doshisha.ac.jp/参照。
注2 同志社国際中学・高等学校のコミュニケーションセンター
同志社国際中学・高等学校の図書館であり、メディアセンターであり、博物館であり、シアターでもある空間として、1997年9月に完成した。詳しくは、http://www.intnl.doshisha.ac.jp/center/参照。
注3 3分の2が帰国子女
この学校では、全校の3分の2が帰国子女で、3分の1が一般生である。それより帰国子女の割合が少なくなって、帰国子女がマイノリティになってしまうと、せっかくの個性を萎縮させる傾向があるため、この割合がよいそうだ。
注4 LOGOという言語
1967年ごろシーモア・パパート教授(マサチューセッツ工科大学)らが開発した教育用コンピュータ言語。
注5 京都ノートルダム女子大学
(1999年4月、ノートルダム女子大学から改称)
京都ノートルダム女子大学(http://www.notredame.ac.jp/)のGregory Peterson先生を、ルート訪問記の第3話(1995年4月号)で訪問している。筆者はここの卒業生であり、現在は講師だったりする……。ワイントラウブ先生は、コミュニケーションセンターの設計前に、京都ノートルダム女子大学のコンピュータ・センターを見学されたそうで、「当時、京都で、いえ日本でも、数少ないgood networkの1つでしたね」といわれていた。ちなみにこの大学、2000年4月からは新体制(人間文化学部のもとに、英語英文学科、人間文化学科、生活福祉文化学科、生涯発達心理学科の4学科を含む)がスタートしている。
注6 100校プロジェクトに参加
同志社国際中学・高等学校の100校プロジェクトの報告が、次のページにまとめられている。http://www.intnl.doshisha.ac.jp/programs/100school/
注7 センターの設計方針
センターの設計方針について、詳しくは、http://www.intnl.doshisha.ac.jp/center/educational/hillel.html参照。
注8 PRONOTE CF-25
松下電器産業の耐衝撃・耐振動性能を重視したノートPC。詳しくは、http://www.panasonic.bzi/pc/参照。ここから、落下実験映像へのリンクも提供されている。
注9 「Communication & Media」
取材日(2000年2月28日)は、この授業の最終日で、グループ学習のプレゼンテーションを見学させていただいた。クイズや実演を取り入れた発表を、生徒がとても楽しそうに行っていたことに好感を持った。この授業について、詳しくは、Communication & Media Class, 1998-1999(http://www.intnl.doshisha.ac.jp/projects/cm98/index.html)参照。
注10 BSD/OS
米BSDI社の商用OS。
注11 PD(Phase change rewritable Disk)
松下電器産業により開発された書き換え可能な相変化型光ディスクで、記憶容量はCD-ROMと同じ650Mバイト。PDドライブはCD-ROMドライブとしても利用できる。
注12 メディアグラフィ・カード
メディアグラフィ・カードは、リサーチの過程や論文作成時に参照メディアを記録しておくためにセンターで発案されたカードである。参考文献情報(ビブリオグラフィ)を拡張したもので、図書、マルチメディア資料、個人の経験や、インターネットやデータベースなどのオンライン情報をメディアの種類ごとにカードの色を変えて記載していくもの。現在は紙のカードを利用しているが、将来的には、それらをメディア別に分類し、生徒が収集した情報をデータベース化してお互いにコメントを加えたり、グループで参考メディアを共有できるシステムを構築したいそうだ。つまり、センターにあるメディアのデータベースを構築するのではなく、生徒の経験を蓄積していくデータベースを想定している。
注13 PostgreSQL
UCB(カリフォルニア大学バークレイ校)で開発されたPostgresをひな型に開発された、フリー・ソフトウェアのRDBMS。
注14 PHP3
PHPは、HTMLに埋め込んで使用するスクリプト言語で、データベースとの連携に優れている。
注15 アルバイトの方が1名
実際は主婦の方2名が隔日できてくださっているので、延べ2名であるが、1名とカウントしている。
注16 内田洋行
創業1910年(明治43年)の事務用機器・機具、事務用品などの製造・販売と輸出入の会社。各種情報処理技術の開発ならびに提供なども行っている。詳しくは、http://www.uchida.co.jp/参照。
注17 河西さんと野村さん
河西さんは野村さんから、「よしだともこのルート訪問記」の存在を教えてもらったそうだ。野村さんは、UNIX USERは創刊号から買っておられたということで、「昔(1992〜1993年)は、CD-ROMではなくフロッピーが付録に付いてたよね。」という話題で、妙に盛り上がった私たち……。
注18 日本教育工学振興会(JAPET)
教育工学の立場からコンピュータやネットワークはじめ、広範なシステム、教育機器、教材などの活用により、初等中等教育の改善に貢献する目的で1982年に設立された社団法人。詳しくは、http://www.japet.or.jp/参照。
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