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2003年10月号掲載 よしだともこのルート訪問記

第84回 オープンソースで誰でも自然に協力し合える社会を!
〜株式会社 グッデイ〜

前田青也(まえだ せいや)さん
(株)グッデイ 代表取締役
矢吹幸治(やぶき ゆきはる)さん
(株)グッデイ GGL事業部 部長
山本博之(やまもと ひろゆき)さん
(株)グッデイ オープンソース開発部
(メールクライアント「Sylpheed」の開発者)
森沢崇幸(もりさわ たかゆき)さん
(株)グッデイ ネットワークシステム部
(OpenOffice.org日本ユーザー会のコアメンバー)
※所属部署・肩書は取材当時(2003年8月)のものです。

(株)グッデイとは
前身は、平成6年設立の有限会社前田情報設計。有限会社から株式会社にする際に、good-day.co.jpというドメイン名を先に考えて、(株)グッデイという社名に決めたそうだ。主要業務はオープンソースを利用したシステム開発、IT導入企画などの情報システム部代行サービス、システム導入後の運用サポートサービス。オフィスが大阪駅前第2ビルにあるため、非常に交通の便がよい。

■オープンソースを中心に据え会社の生存をかけて取り組んでいます

よしだ(以下、Y):お久しぶりです、こんにちは。まずは、グッデイについて紹介していただけますか。

前田青也さん(以下、前田):グッデイは、オープンソースの推進およびオープンソースによるソリューションの提案を中心に業務を行っています。現在社員は16名です。平成6年の会社設立当時は、自宅のリビングからスタートしました。ソフトウェア技術者となって10年目ぐらいで、結婚2年目、1番上の子供が1歳のときでした。最初は受託作業、つまり社長でありながらも自分を客先に派遣するようなところからスタートして、少し余裕が出たときに1人仲間を入れて、3人になったときにオフィスを借りて、より会社らしくしました。
 Linuxおよびオープンソースに注目し始めたのは1998年ごろでした。国内外のイベントにほとんどすべて顔を出して、いろんなおもしろい方(日本のLinux関係者だけでなく、アメリカのイベントではLinus Torvalds氏を始めとする関係者)に会い、「これはおもしろい」と思いました。Project BLUE注1の活動にも参加し、どんどんこの世界にのめり込んでいきました。
 その中で、長い期間をかけて、自分の会社をオープンソースにどうかかわらせていくかを考え続けました。最初のうちは、オープンソースのソフトウェアを使ったシステム構築で食っていたわけですが、そのうちそれでは飽き足りなくなり、オープンソース自体で、つまりオープンソースのリソースを増やすことで食っていきたいという欲望がむらむらとわき上がってきました。
 現在は「オープンソースはいいよね、楽しいよね」という段階からは1歩進んで、これで会社を引っ張っていくのがベストだという結論に達して、会社の生存をかけて取り組んでいます。つまり、オープンソースといった共有財自体を増やし、主にそれだけで商品をも構成できる仕組みを実現させていこうとしています。Linuxを成長させてきた技術者の技術的興味を次の段階に移行させて、より具体的に社会にも影響するレベルに引き上げていきたいと考えています。

Y:長い期間をかけて検討された結果が「オープンソースでいこう!」だったのですね。

前田:はい。現在のように、オープンソースを会社の中心にドーンと据えようという決心がついたのは、つい最近のことだといえます。2002年12月に、よしださんも参加された「関西オープンソース+フリーウェア」という手作りイベントの実行委員をして、ほとんどお金をかけなかったあのイベントが大成功だったのを見届けて、それで決心が付きました。
 今年度からは、JLA(日本Linux協会)注2の理事にも就かせてもらい、Linuxのデスクトップの推進部隊を起ち上げて活動しています。Linuxのデスクトップも、かなり使えるところまできていますが、マイクロソフトさんが築き上げたビジネスモデルが独占的に成功しているのが現実です。しかし、それにはないメリットが、オープンソースでのデスクトップ環境の整備にあると信じて、具体的にそれを提供するべく頑張っています。
 デスクトップ環境をどうするべきかということを、まずはJLAという公平な立場で具体的な理想像を見せたうえで、うちの会社としても2003年中に、オープンソースで構成したデスクトップPCを出していく予定です。

■社内マシンはクライアント、サーバーともDebian GNU/Linuxが中心

Y:グッデイのネットワーク構成も紹介してください。ルート訪問記は、本来そういう連載だったので……(笑)。

矢吹幸治さん(以下、矢吹):では、グッデイのルートの1人として説明します。
 グッデイのファイルサーバーはこのオフィス内に置いていますが、インターネットサーバーは、KDDIの京橋ビル内に置いています。Debian GNU/Linux(以下、Debian)を入れたマシンに、メールサーバー、Webサーバー、DNSサーバー、ゲートウェイサーバーという1台4役をさせています。自社のサーバー以外にも、ホスティングサービスやサーバー運用代行サービスのサーバーも、同じくKDDI内に置いています。

Y:自社のインターネットサーバーはDebianとおっしゃいましたが、矢吹さんはDebianな方なのですね。

矢吹:はい。Debianを自社のインターネットサーバーに採用したのは細川哲一氏注3(現在はグッデイを退職して独立)です。細川氏は、色々とLinuxディストリビューションを使っていましたが、最終的にDebianに落ち着きました。ホスティングサービスに使っている他社のサーバーでも、ディストリビューションのリクエストがないかぎりDebianを使っています。
 各自のクライアントについては、それぞれいろんなディストリビューションを使っていましたが、いつの間にかDebianになっていましたね。私が洗脳したわけでもないのですが。
 DebianはDPKGを使ったシステム管理(アップグレード)技術が優れていて、管理コストが格段に違いますから、便利なものに慣れてしまうとそれ以外のものは使えなくなるのでしょうね。

Y:Debianな方は皆さんそう話しますね。そういう発言が、周りの人を洗脳したのでは?(笑)

矢吹:私は1997年にDebianに出会って(詳しくは、コラム参照)、人生、変わりましたね。カナダのバンクーバーのStormix(Stormix Technologies Inc.注4)まで行って、「Storm Linux」というDebian GNU/Linuxベースのディストリビュータをやっていて、会社が清算されてしまったので日本に戻ってきましたから。
 自社のインターネットサーバーはKDDIに置いていますが、コミュニティのプロジェクト(LILO注5、Sambaユーザ会など)のサーバーおよびJa-Jakartaプロジェクト注6の旧サーバーは、このオフィス内に置いています。

Y:コミュニティのサーバーを社内に置いて、自社およびホスティングサービスのサーバーを外部に置く理由は?

前田:24時間、決して止めてはいけないサービスを企業として提供するために、KDDIのデータセンター内にラックを借りて置いています。ここのオフィス内に置いていては、誰かが電源をけるかもしれないでしょう。

矢吹:実際、このビルは年に1回、電源が止まるのです。

前田:キリッとした企業の顔をしてお付き合いするところと、コミュニティの顔をしてフレンドリにお付き合いするところとがあって、企業の顔をして接するところのサーバーは何があっても大丈夫、セキュリティも万全ですという風にしています。

■役者は揃った! Sylpheedの山本さん、OpenOfficeの森沢さん、Debianの矢吹さん

Y:グッデイには、メールクライアントSylpheed(シルフィード)の開発者の山本さんや、OpenOffice.org注7(以下、OpenOffice)の日本ユーザー会コアメンバーの森沢さんといった、オープンソースのコミュニティで活躍なさっている方が社員としていらっしゃるのですね。

前田:山本君が大学の4回生だった2000年4月のLinux Conferenceで、「Sylpheed 〜電子メールクライアント&ニュースリーダーの設計と実装〜」という話をしているのを知った後で、何気なく彼のWebサイトを見たら、私の出身の阪大基礎工学部の学生で、しかも就職活動中と書かれていたので、声をかけてアルバイトとして雇い、卒業後の2001年春からは正社員になってもらいました。
 また、オープンソースのLinux用オフィスツール向けサポート事業を展開していくうえでOpenOfficeは欠かせないと思って、2003年3月にドイツのハンブルグのOpen
Officeのユーザー会に行きました。そこで、ユーザー会のメーリングリストを立ち上げた人物として森沢のことを聞いて、「うちへ来てみる?」と声をかけて2003年5月から社員として来てもらいました。

Y:OpenOfficeについてのコメントを森沢さんからもらいたいです。

森沢崇幸さん:9月上旬以降に、OpenOfficeの新しいバージョン(バージョン1.1)の英語版が出ます。日本語版はそれより少し遅れてリリースされますが、このバージョンは、かなりいい感じに仕上がっていますので、「すべてはこれから始まる」と期待していてください。

前田:オフィスツールではOpenOfficeの森沢およびユーザー会のメンバー、メールクライアントに関してはSylpheedの山本、そして、ベースになるOSではDebianの矢吹がいますから「役者は揃った」という感じです。オープンソースのデスクトップ環境の推進は、ウチが率先してやらないといけないなと思っています。

Y:そのとおりですね。Sylpheedの山本さんからは、開発秘話をお聞きしたいのですよ。開発を始めたきっかけや、名前の由来など歴史的なことを教えてください。

山本博之さん(以下、山本):当初メールクライアントにはMewやWanderlustを使っていたのですが、設定が面倒で、まともに使えるようになるまで数日間かかり、処理速度も遅いのが不満でした。
 また、GUIを使用したメールクライアントには、まともに日本語が使えて、なおかつインターフェイスが優れたものがありませんでした。それで、大学在学中にまとまった時間がとれたこともあり、自分の欲しいものは自分で作ろうと考えて、容易な設定、シンプルで洗練されたインターフェイス、軽快で高速な動作を美しいコードで実現するべく開発を始めています。
 初めて公開するまでには3か月ぐらいかかりました。1999年9月に設計をスタートして、2000年1月1日0時0分になった瞬間に初めて公開しました(現在のバージョンは0.9.4)。当初のバージョンは使える機能は少なくて、たとえばMIMEへの対応などはありませんでした。でも、外観やインターフェイスは、Windowsでは定番のメールクライアントの「Outlook Express」、「Becky! Internet Mail」などを参考にして、現在の原形といえるデザインには仕上っていました。操作系はMewやWanderlustなどのEmacs系メールクライアントを参考にし、MewやWanderlustからの移行や併用も考慮しました。
 「Sylpheed」という名前は、4大精霊(土・水・火・風)のうち、風や空気の精霊とされる「sylph」という単語の女性形(sylphid)からきています。「風のように軽快な動作、空気のように自然な操作感を実現したい」という意味を込めて命名しました。

矢吹:SylpheedはI18N(InternationalizatioN)により多くの言語に対応し、非英語圏からとくに高く評価されています。必要とするユーザーが翻訳したデータを送ってくれれば、対応言語は増えていくという仕組みです。

山本:2003年8月5日現在で、26か国語対応注8です。

Y:機能もどんどん増えていますが、ユーザーがこういう機能を付けたといって、ソースを送ってくれるのですか。

山本:基本的には要望がほとんどで、たまにパッチが送られてくることもあります。要望のうちメリットが大きいと判断した機能は取り入れています。

矢吹:ソースを送ってもらった場合も、山本君がまた書き直してるんですよ。

山本:美しいソースで実現するのがポリシーですから。

Y:山本さんは、中学生か高校生のころからプログラムを書いているのですか。

山本:小学生のころからです。東芝のパソピア7注9でBASICプログラムを書いていました。

Y:会社の業務に加え、そのうえでSylpheedも担当しているという感じですか。

前田:はい。グッデイでは、通常の会社の仕事もしながら、自分が関係しているオープンソース関連のこともやっているという感じです。私は山本にSylpheedに関して指示を出したことはありません。自分でコツコツと着実に育てていますね。これだけ機能が充実して広まっているのに、彼が謙虚でまだバージョン1.0を出していませんが、それについて私は何も話しませんし、指示するような資格もないと思っています。

山本:今年中には 1.0 が出せればと思っています。少し機能が増えすぎて、設定などのインターフェイスやソース自体もゴチャゴチャしてきたので、直したいと思っているところです。

Y:期待しています。

■いよいよ10月31日、11月1日開催!関西オープンソース+フリーウェア2003

Y:2002年12月に引き続き、2003年も手作りイベントとして「関西オープンソース+フリーウェア2003」注10(以下、KOF)を開催なさるそうですね。実行委員会メンバーとして、前田さんと矢吹さんが参加して、このイベントの事務局もグッデイ内に置いていますね。

矢吹:中野秀男実行委員長(大阪市立大学 学術情報総合センター教授・副所長)のもと、関西オープンソース+フリーウェア 2003実行委員会として活動しています。昨年のKOFでは、9つの企業、8つの非営利団体によるブース出展、講演やステージイベントなど、37のプログラムを実施しました。2年目を迎える今年は、よりパワフルで、より楽しいイベントを目指しています。
 またこのイベントは、オープンソースやフリーウェアを開発・利用しているコミュニティ自身によって開催しており、普段は直接話す機会が少ないエンドユーザーとソフトウェア開発者が、出会いの場としてBOFやミーティングを利用できるように、会場の一部をコミュニティに無料提供します。

Y:グッデイさんはこのイベントに大きく寄与されているし、安易に「オープンソースやLinuxはお金になるみたいだ」と考えている企業さんとは根本的に違う点に、非常に好感を持ちました。

前田:お話したように、グッデイは企業というスタンスを取りながら、コニュニティとも一体化した形でやっています。同時に、オープンソースを正しく広めたいと考えており、KOFはその一環として応援しています。
 これまで、オープンソースについて理解している人が集まって、手作りでやっていける仕組みや、こういったアピールを公の場で正々堂々とやっていくことがあまりなかったので、真正面からやっていこうと思っています。

Y:このようなイベントも利用して、コンピュータの専門知識のない方々にも、オープンソースのことを正しく理解してもらいたいですよね。

前田:オープンソースがいいものであることは間違いないのだから、そのとおり表現すれば、他分野の専門家が自分の理論の中に取り込んでいくはずなのですが、まだそこまで目が届かないというか、そこには興味のない人間が深く関わっているというのが実態です。
 また、オープンソースを新しいビジネスモデルの1つと考えている人が多いのですが、実は継続可能な社会注11として通用する大きな社会モデルなんですね。個々人が興味ベースで集まって、高い水準のものを作り上げるというスタイルは、環境問題、教育問題などを解決する方向にも通用するもので、これしかないと考えています。
 ある事柄について1番得意な人間、つまり1番生産性の高い人が、楽しくラクに作って、ほかの人はその恩恵を享受して楽しく過ごす。さらに、それを享受した人は自分の得意な分野に専念して、再びみんなに返すというスタイルです。たとえば、プログラミングに関しては山本のような人に任せておけば良くて、それぞれが得意な分野で楽しく毎日をすごせるのが理想です。

Y:好きなことだと頑張れますからね。

前田:好きなことで徹夜しても全然苦にならないでしょう? それでみんなが喜んでくれると、また楽しいですよね。そうすれば個人の時間にも余裕ができるはずです。そんな社会であれば、たとえば、子育てものんびりできるだろうし、子供と話す時間もたっぷり取れるでしょう。そのうえで子供自身にも「自分は社会のために何ができるだろうか」とじっくり考える時間を持たせて、その子が自分の頭で考えた得意なことに対して、特化して集中していける流れになればと考えます。

Y:ただ、社員がそれぞれ好きなことをしていて、社員全員が食べていくことは可能なのでしょうか。前田さんがよっぽどうまく牛耳っておられるのでしょうか……。

前田:牛耳るというのはちょっと違います。従来の働き方だと、企業という組織の枠があるために、本来個人が持っている能力を削って、枠にちょうど合うようにしています。ウチでは、枠にはめずに野放しにすることで、本来その人間が持っている能力を発揮させるので、その中から、ウチの売り上げにつながる部分だけ返してもらっているという感じですね。
 能力のある人間に自由にやらせると、制約の中に押し込むよりも高いアウトプットが生まれます。無理せず、自然に協力し合えるオープンな社会に向かうために、そういったオープンソースの考えがそのほかの分野にも応用できると確信しています。

Y:興味深いお話をありがとうございました。これまでお話を聞いてきて、「グッデイさん、オープンソースのことをよろしくお願いします」と頭を下げたい気持ちになりました。またお話をさせてください。


多言後対応のメールクライアント「Sylpheed」
注1 Project BLUE(プロジェクト ブルー)
1999年3月に発足したオープンコミュニティの一種で、Linuxのビジネス活用、インテグレーションにかかわることをテーマに、主にML(メーリングリスト)で情報交換を行っている。BLUEとは、Business Linux Users Encouragementの略。
http://www.blue.gr.jp/

注2 JLA(日本Linux協会)
従来のユーザー団体という枠を超えて、ベンダーやメーカーも含めて「Linuxを利用するもの」として結集し、Linuxとそれを取り巻く世界の発展や相互利益のために活動を行っている任意団体。
http://jla.linux.or.jp/

注3 細川哲一氏
細川氏は、PostgreSQLの二重化のプログラムであるReal-time Backup Utility Usogres(「うそぐれす」と発音)で、2002年の日経BP技術賞情報通信部門賞を受賞された。うそぐれすは、現段階でレプリケーションの実装されていないPostgreSQLにおいて、運用上の要請により二重化を実現したシステム。Usogres の名称は、フロントエンドに対してはバックエンドのふり、バックエンドに対してはフロントエンドのふりをするうそつき野郎の意味を込めて命名されたという。
http://usogres.good-day.net/

注4 Stormix Technologies Inc.
Debian GNU/Linuxベースのディストリビューション「Storm Linux」を出していたのがStormix Technologies Inc.であった。会社が清算されてしまった時期は2001年。

注5 LILO(りろ)
Linux Install Learning Osaka の頭文字を取って命名。主に関西のLinuxユーザーの交流、情報交換の場を提供するために活動。MLでの情報交換に加えて、定期的にMonthly Seminarを開催している。
http://lilo.linux.or.jp/

注6 Ja-Jakartaプロジェクト
Javaのオープンソースコミュニティとして世界的に有名なApache Jakartaプロジェクトの成果を利用している日本のユーザーの集まり。グッデイ社員の角瀬和博(つのせ かずひろ)さんが、Ja-Jakartaのコミッタの1人。
http://www.jajakarta.org/

注7 OpenOffice.org(オープンオフィス・ドット・オルグ)
オープンソースとして開発されているオフィススイート。ワープロや表計算、プレゼンテーションツールなどが用意されている。Linux版、Windows版、Solaris版、FreeBSD版のほか、ベータバージョンとしてMac OS X版がある。森沢さんはユーザー会では「あわしろいくや」というハンドルネームを使用しているそうだ。
http://ja.openoffice.org/

注8 Sylpheedが対応している言語
チェコ語、デンマーク語、英語、ドイツ語、ギリシア語、スペイン語、エストニア語、フランス語、ガリチア語、クロアチア語、ハンガリー語、イタリア語、日本語、韓国語、オランダ語、ポーランド語、ポルトガル語、ルーマニア語、ロシア語、スロバキア語、スロベニア語、セルビア語、スウェーデン語、トルコ語、簡体字中国語、繁体字中国語
http://sylpheed.good-day.net/

注9 東芝パソピア7(PA-7007)
1983年に東京芝浦電気株式会社(現株式会社東芝)から発売された、ザイログ社Z
80A搭載の8ビットパソコン。6重和音出力、27色表示が可能で、価格は11万9,800円。

注10 関西オープンソース+フリーウェア2003
2003年10月31日、11月1日の2日間、大阪産業創造館にて開催。プログラムの詳細、最新情報は公式サイトで随時公開中。また、ユーザー企画イベントの申し込みも同サイトで受付中だ。締め切りは10月1日だが、枠に空きがある限りイベント当日まで受け付けるとのこと。なお、同じく10月30、31日、11月1日には、同会場でLinux Conference 2003も開催される。

・関西オープンソース+フリーウェア2003 公式サイト
http://k-of.jp/
・大阪産業創造館(堺筋線または中央線の堺筋本町駅より徒歩5分)
http://www.sansokan.jp/
・Linux Conference 2003
http://lc.linux.or.jp/lc2003/

注11 継続可能な社会
資源、環境の有限性や制約を前提として、持続発展できる社会活動、経済活動を行い、またそういったシステムを構築しようという考え方。循環型経済システム、持続可能な経済社会システムとも。

私のUNIX #11 〜矢吹幸治さんのUNIX〜

●OS環境:Debian GNU/Linux

 私は、自分のUNIX環境をDebian GNU/Linux(以下、Debian)で構築しています。日々の生活という点でもDebianの上で暮しているといえます。私がDebianと出会ったのは1997年のことで、Debianのboというシステムのころでした。
 UNIXに対する片想いの時期が長くて、最初に使ったときにはかなり感動しました。当時はまだroot神がいて、その人のおかげでシステムが無事動いていた時代です。最近のUNIXは、1人1台ずつUNIXマシンを使っている状態で、それぞれがrootになる必要がある時代ですから、大変な時代になったと思います。
 ただ私個人についていえば、Debianのおかげで、毎日快適に暮らしています。またDebianを使うことで、自由なソフトウェアは人間が作るもので、その辺の草花のようにひとりでに生えてくるものではないということが良く分かるようになりました。

●シェル:bash

 まあ、普通です。

●シェルの設定:language-envパッケージ+α

 Debianの日本語関係の設定を一手に引き受けてくれるlanguage-envパッケージの設定と、プラスαです。このパッケージにはいつも感謝しています(ありがとう久保田さん)。また上記の設定に、/etc/bash_completionを読み込んで、補完機能を賢くしています。

●エディタ:Emacs

 language-envで作られる.emacsに加えて、~/.emacs-setupディレクトリの下に必要なelファイルを置いています。日本語入力にはskkを利用していて、ndtpdとlookupで辞書を引いたり、キーを打つ量を減らすためにnicola配列を試してみたりしています。また、最近レポートを書く機会が多くなったので、yatexを設定しました。

●そのほかのこだわり:

 こだわりというほどではないですが、必要なスクリプトを書くときには、Rubyを使うようになりました。ほかのOSの人と文書をやり取りする際には、PDFファイルを利用しています。DVIPDFMx(dvipdfm-cjk)もありがたい存在です。
 また、英語の文書を読んだり、言葉を調べる場合には、ndtpdで利用できる辞書たちにお世話になってます。インターネットにつなげられるときには、mozilla-firebirdから検索エンジンのGoogleを利用します。

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Last modified: Mon May 21 13:40:15 JST 2007 by Tomoko Yoshida