2002年12月号掲載 よしだともこのルート訪問記第74回 社内でのオープンソースの導入がスムーズだった理由とは
今回は、大阪市此花区の住友製薬株式会社 ゲノム科学研究所(以下、ゲノム研)を訪ね、ゲノム研でコンピュータ全般の管理、データベースなどのインフラ整備を担当されている樋口千洋(ひぐち ちひろ)さんから、お話をお聞きしました。なお、取材には総務人事室 広報担当の森田 敏(もりた さとし)さんにも同席していただきました。
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樋口千洋さん 住友製薬株式会社 研究本部。ゲノム科学研究所でバイオインフォマティクスを担当し、さまざまなデータベースやネットワークなどのインフラの整備を行っている |
森田 敏さん 住友製薬株式会社 総務人事室 広報担当 |
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私のUNIX #2 〜樋口 千洋さんのUNIX〜●OS環境:Plamo Linux学生時代に使ったUNIXが、PDP-11上の2.9BSD(?)だったので、90年代初頭にLinuxと386BSDが出現したとき、当然BSDを使うつもりでいましたが、当時日経MIXで活躍されていた生越昌己さんらの影響でLinuxを使うようになりました。その後、小島三弘さんと親しくなり、仕事でもPlamo Linuxを使うようになりました。バイオインフォマティクス研究の場では、さまざまなプログラムをソースでコンパイルする必要がありますし、きちんとドキュメントを読まないとインストールできても使うことができません。そのため、パッケージ管理がしっかりしているシステムよりも、Slackwareベースの見通しのよいPlamo Linuxのほうがソースからコンパイルしたソフトウェアの導入もしやすく、自分にはとてもあっています。 ●シェル:用途に応じて使い分ける見栄を張ってscsh(Scheme Shell http://www.scsh.net/)と書きたいのですが、後述の不精な性格に逆らうことなくPlamo Linuxがデフォルトにしているtcshをログインシェルとして使用しています。ただし、シェルスクリプトについてはbashを使います。bashはシンタックスにちょっと違和感がありますが、リダイレクトなどでファイルディスクプリタを自在に操作したいときにはbashのほうが適していると思います。zshもいいとは思うのですが、不精なので……^_^;;●シェルの設定:とくになし根が不精なので何も考えずにそのまま使っています。それというのもPlamo Linuxの設定ファイルは、PJEのそれを源流として信頼できる方々がチューニングしてくれた設定なので、とくにこちらであえて設定する必要もないと考えているからです。また、変にトリッキーな設定をしてしまうと、IRIXなどほかのUNIX環境を操作する際に戸惑ってしまうので、あまり凝った設定はしないようにしています。なお、ネットワーク関係や、さまざまなシステムの環境変数は、/etc/profileや/etc/csh.loginの中で設定しています。 ●使うエディタの種類:EmacsEmacsですね。SymbolicsというLISPマシンを使ったことがあって、Zmacsの使いやすさに傾倒しました。以来ずっとEmacsです。ほかに、「cat > foo」もよく使います(^_^)。ただ会社でUNIXを使う場合、WindowsのTelnet.exeしか使えず、スクリーンエディタの制御が崩れてイライラすることがままあります。そのため、最近はエスケープシーケンスに依存しないexを使えるようにしておいたほうが、つぶしが利くのではないかと思うようになりました。 |
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